背面デザイン
一番下の『Five Elements』の『i』の点のところに、さりげなくさるを忍ばせていますが、さる山さる子っぽさは、実はこれだけです。それでは、各パーツのデザインの説明をしていきます。
背面上部にプリントされている『天・地・人』は、全宇宙を表しています。陰陽説では、宇宙(天地)創造、人類の誕生について、始まりは混沌とした気であったが、明るく澄んだ気が上って天を形成し、暗く濁った気が下って地を形成し、その間に生まれて来たのが人間であると考えています。即ち、人間は、天と地の間に生まれ、それらに支えられて存在するもの、又、全宇宙は、天・地・人から成り立っていると言う事です。
更に、これを人間の範疇で考えれば、天は人間の霊魂(気)を表し、地は人間の肉体(体)を表し、人は人間の心(心)を表しています。そして、これらが融合して一体となっているのが、人間なのです。
背面の天・地・人の下にプリントされている円の部分は、循環とバランス(中庸)を表しています。五行説は、簡単に言えば、万物は、木火土金水の五つの性質を持つ気から、成り立っていると言う考え方なのですが、更に深く考察すると、それらが互いに助け合い(相生と言う。円周に描かれた実線の矢印部分)、又、討ち滅ぼし合う(相剋と言う。星形に描かれた点線の矢印部分)事によって、物事が循環し、宇宙(自然)全体のバランス(中庸)が保たれていると言う事を表しているのだと言えます。
そして、この五行説から、人間は、五つの本能を所有していると言う考え方が生まれたのですが、これらの本能から生まれる想念・行為を表したものが、五徳と呼ばれるものです。
仁徳は、守備の本能(木の質)であり、慈しみ育てる、守り育てる、思いやりと言う想念、行為を表しています。
礼徳は、伝達の本能(火の質)であり、物事を伝えると言う想念、行為を表しています。尚、伝達の本能に礼徳が配されているのは、自分の心(伝えたい事)を、正しく人に受け取って貰う為に必要なのが、礼儀礼節であるからです。
信徳は、引力の本能(土の質)であり、人の心を引き付けると言う想念、行為を表しています。人を引き付けると言う事は、魅力があると言う事であり、又、人から信頼されると言う事でもあります。
義徳は、攻撃の本能(金の質)であり、正しい事を貫くと言う想念、行為を表しています。ここで言う正しい事とは、自然の法則に沿った事を指しています。
智徳は、習得の本能(水の質)であり、物事を学ぶ、新しい物事を生み出すと言う想念、行為を表しています。
背面にプリントされている円の中央に配された太陰大極図は、陽極まれば陰に転じ(真昼になれば夜に向かう)、陰極まれば陽に転ずる(真夜中になれば昼に向かう)と言う様に、自然の循環法則とバランス(中庸)を表しています。又、どんなに陽が強くなっても、陰が消滅する事はなく、同様に、どんなに陰が強くなっても、陽が消滅する事はない、と言う事を表してもいます。これは、陽中の陰、陰中の陽と言って、図形の目玉の部分に該当します。
前面デザイン
前面にプリントされている図柄は、五徳とその方向を表しています。仁徳は東方(木の場所)に、礼徳は南方(火の場所)に、義徳は西方(金の場所)に、智徳は北方(水の場所)に、そして、信徳(土の場所)は中央に配される事になります。
これは、正しい事をする(金)に当たっては、知性(水)と、慈しみの心(思いやり・木)が必要であり、又、礼儀礼節(火)に則って行わなければ、人の信頼(土)を得る事は出来ない、と言う事を表しています。
即ち、正しい事を、知恵を使って、思いやりを持って、礼儀礼節に則って行う事で、自分の心が他人に伝わり、人から信頼されるようになるのです。そして、それは、自分の人間性を大いに向上させる事に繋がるのです。