人の思いが形に残る

1~2ヶ月一度、茨城にいる母の様子を伺いに行っているのだが、今年に入って2度ほどホテルを利用している。

泊まるホテルを検索していて気づいたのだが、私が知らぬ間に、新しいホテルが続々と立ち並び、前からあったホテルも建て替えたり増築したりしていた。
数あるホテルの中から、安くて朝食付きのホテルに決めた。
私が茨城に住んでいた頃(10代~20代)からあるホテルだったので、外観も古く、目の前にある豪華そうなホテルとは雲泥の差があった。

さとう 「あの目の前のホテルと1000円くらししか違わないけど、朝食付きは魅力だよなぁ。」
と、お得な方を重視したわけだ。
 

しかし、私はそのホテルがすっかり気に入った。
何故かというと、確かに古いホテルなのだが、とにかく清潔だった。
お客さまを迎えるためのホテルなんだから、当たり前だと思うかもしれないが、客室係の人が、それはそれは丁寧に部屋を綺麗にしているのが、何となく伝わってくるのだ。

アメニティーも必要最小限で、極力経費を抑えているが、空気が良いっていうか、清涼感は何ものにも替えがたいと思った。
朝食をとるための食堂はこざっぱりしていて、ここも空気が良く、日本の食卓のようなおかずに心が癒やされた。
 

客室の机の上に、カードが置いてある。
部屋の掃除をした担当者の名前が自筆で書かれており、他は印刷であるが、
「私がお部屋の担当をしました。ごゆっくりとおくつろぎください。」的なことが記されていた。
その裏面には、「何か気づいた点があったら、教えて下さい」とあった。

もちろん私はメッセージを書いた。
気持ちよく過ごさせてもらったこと、お掃除が丁寧に施されていること、食事も美味しかったことなど、感謝の気持ちを伝えた。
 

朝、部屋を出ると、他の部屋お掃除が始まっていた。 私を見かけると、「おはようございます!」と気持ちのいいあいさつをしてくれた。

スタッフ 「眠れましたか?」

さとう 「はい、気持ちよく過ごさせてもらいました。」

スタップ 「良かった!お気を付けていってらっしゃい!」

この一言で元気をもらった気分だ。
 

やっぱり人の思いがどんな所でも伝わるんだなぁって、つくづく思い、感謝の気持ちでホテルを後にするのであった。