パンツが履けずに泣く

ふと、幼かった頃を思い出した。

オシッコを漏らしてしまったチビりえは、家に誰もいなかったので、タンスからパンツを取り出して、履こうとした。
 

チビりえ 「パンツ…。」
 

パンツを目の前にして、どうやって履くのかが、分からなかった。
パンツの後ろと前が分からずに、思い悩んでしまったのだ。

「どっちだっていいじゃん。」て、今なら思うのだが、チビりえにとっては、大きな壁に思えたのだ。
 

パンツを後ろにしたり前にしたりして、履こうとするのだが、何故かしっくり来なかったのだろう。
そのうち、チビりえは、泣き出すのであった。
 

チビりえ 「ぅわ~~~~~ん!びぇ~~~~~ん!」
 

女神様現る

当時、伊豆長岡というところに住んでいて、目の前が苺畑の田舎だった。
そこに借家が建ち並び、いつも入口のドアは開けっ放しで、「どうぞ、ご自由にお入りください。」といった感じだった。

なので、私の泣き声は、借家中に響き渡るわけでして。
泣き声を聞きつけた、隣の新婚ホヤホヤ(死語だな。あ、死語自体が死語らしい)の美人なお姉さんが、家に入って来て、
 

お姉さん 「りえこちゃん、どうしたの?」
 

チビりえ 「パンツがはけないのぉおおお、びぇ~~~~ん!」
 

お姉さん 「パンツ貸してね。パンツをまず広げるの。そうすると、穴が三つ見える方が前でね、大きな穴の方から足を入れるのよ。」
 

そのときの私の衝撃が、凄かったのを覚えている。
 

チビりえ 「おかあさん、おしえてくれなかったぁあああ!」
 

をいをい、そこは、「お姉さん、ありがとうだろう。」と今の私が言う。
母親がパンツの履き方を教えてくれなかったせいで、私はこんなにも不幸になってしまったと、思ったのだろう。
 

子ども心に、あんなに分かりやすくパンツの説明をしてくれた人は、お姉さんだけだ。
お姉さんは、神様みたいな人だ、と思った。
 

誰のせいでもないのに

とにかく、お姉さんのお陰で、無事にパンツを履くことが出来たチビりえは、母親が帰ってくると、その一部始終を話したのだ。
話した内容までは覚えていないが、たぶん、パンツの履き方を教えてくれなかったことを、母親にぶつけていたと思われる。
 

私の母は、細かいことを気にしない質なので、今の私と同様に、
 

母 「どっちでも、履いとけば良かったじゃない。」
 

と言ったと思われる。
いや、絶対に言ったはずだ。(笑)
 

パンツが履けなかったのは、母親のせいでも何でもないのだけれど、自分が出来ないことを、誰かのせいにして、怒ったり泣いたりするのだなぁと、昔を振り返り、今の自分と重ねてみるのであった。
 

反省点がいっぱいあるなと、気づいた昔の思い出である。
 

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