20代のころ、久米島でガイドダイバーをしていたときの話。
その日は、お客さまの一番後ろについて、安全確認をする役目をしていた。
海は穏やかそのもので、 お客さま達は写真を撮ったり、小魚を観察したりとゆったりと海中を楽しんでいた。
そんなお客さまの姿を、いつものように後方から安全を確認しつつ、のんびりと眺めていた。
そのときだ、私の後ろには誰もいないはずなのに、後ろから脇を横切るものがいた。
横を見ると…。
「うぉおおお!!!!うぎゃぁあああ!!!サメ-!!!!」
まさかのサメの登場に、心臓はバクバクである。
小学生のときに、『ジョーズ』という映画を観てから、サメに対しての恐怖心は半端ない。
海の中なので咄嗟の行動は取れず、そのとき自分に出来ることは、制止していることだけだ。
さとう心の中 「焦るな静まれ心臓よ…。」
よくよく見たら、サメはサメでもメジロザメのような恐ろしいサメではなく、ネブリブカという普段は海底でじっとしている大人しいサメなのだが、突然の登場に、冷や汗かきまくりだ。
このことがあって、サメに対する恐怖心が、いっそう強くなるのであった。
トラウマならぬ、サメウマなのであ~る。