以前、『行動できない人へ』という記事を書いた後、行動できない人が、どうして行動できなくなるのか、そのきっかけについて考えていました。
ある程度まとまったので、書いてみます。
友人が身をもって教えてくれたこと
Nちゃんという友人がいます。
彼女は、長年ただ見るをしています。
なんだけど、どうしても行動できない。
面白い才能もありそうで、やりたいことは次々と思い浮かぶのに、実行できない。
本当にもったいなくて。
少し前に、私がNちゃんにぴったりなことを思いついて、それを勧めてみたら、最初は嬉しそうに乗り気だったのに、いざ現実味を帯びるや、私や、高校の頃からの友人との関係も、全てを捨てて逃げようとした。
ただ見るをしているもんで、それを客観的に見ているNちゃんもいて、自分で驚いたそうです。
でも、なんとか踏みとどまって、復活した後に、逃げようとしていたときに自分が何を考えていたかを教えてくれました。
単純に「やりたくない」ってのが出てくるのよ。すごくない?「やりたくない」だよ。
ようするに、そんだけの覚悟あるか?って自分に問うと、ないんだよ。なんだかんだ言って、日本に生まれてのほほんと生きてきて、これからもテケトーに生きててもけっこう平気に生きてける。
自分で責任取らないでも、なんとなく流されても生きていけるの知ってるんだよね。だったらやらない方が楽だもん。
と、自分が考えてる、いや無意識にそう生きてることを、みんな知らないんだよね。
と、いうことに気づいてしまった。衝撃だったね。
逃げようと思った人が、すべてをかなぐり捨てるのも、(身をもって)知った。
この、最初に出てくる「やりたくない」が原因なわけです。
- やりたくないからやらない。
- やらないから自信がつかない。
- 自信がないからチャレンジが怖い。
- やらない。(1に戻る)
というループに入っていたわけです。
ストライキを起こしていた
この、一番最初のきっかけになったものは何なんだろうと思ってアンテナを立てていたところ、引っかかってきたのが、『ストライキ』という言葉でした。
なにかを思い通りにしたくて、あるいはイヤだということを分からせたくて、ストライキを起こす。
相手に分からせるために、『行動しない』をやるわけです。
人は、外部から自分を変えられるのに拒否感があるものです。
例えば、勉強なども、親からやりなさいって命令されるとイヤですが、自分からやりたい勉強は喜びになります。
行動としては同じなのに、それが自発的なものか外からやらされるものかによって、喜びと苦痛の両極端に分かれます。
相手のことを信頼できて、『指導してもらっている』と受け止められるなら、変えられようとすることはありがたく、喜びとなるわけですが、そうでない相手から変えられようとするのは苦痛でしかありません。
子供の頃、親との信頼関係が築けず、なのに親からは躾などで自分を変えられようとするわけで、その抵抗感からストライキを起こすわけです。
それはもちろん無意識で、自分でもストライキをしていることに気付かないから、相手から離れても、相手が死んでいなくなってしまってもずっとやっていて、それはもはや相手ではなく自分を痛めつけるだけなのに、無意識で気付かないからやめられない。
Nちゃんに聞いても、母親から「これをやれ」「これをやったら」と言われたことは絶対やらない、というのがあったそうです。
今思えば、やっときゃ良かったと思うアドバイスも拒否してしまったそう。
それが大人になった今も、行動できないループになって残っていたようです。
いや、ホント、もったいない。(Nちゃんの才能が)
どう相手に接すれば、ストライキが起きないか
上に書きましたが、人から変えられようとするのは苦痛ですが、相手のことを信頼できて、『指導してもらっている』と受け止められるなら、それは喜びに変わるわけです。
ということは、相手のことを信頼できて、『指導してもらっている』と受け止められる状況を作れば、子供への躾はうまく行きやすいということですが、それはどういう状況なのかというと、『背中を見せている』かどうかだと思います。
子供は親の背中を見て育ちます。
離婚をした親の子供は離婚しやすいですが、これは親が離婚をしても平気で生活している姿を見て、離婚に対するハードルが低くなるからです。
先日、私は胃の調子が悪くなり、それを知ったある友人から、食に対するアドバイスをもらったのですが、その友人は食に対していいかげんなので、そのアドバイスを聞く気にならず、自分でも驚いたということがありました。
私は基本的に、人からもらったアドバイスは一度は試してみようとするのですが、なんというか、アドバイスをもらって、「しら~」っとした気持ちになったのです。
人を変化させたかったら、『背中を見せる』ことが早道だと前にも書きましたが、また出てきました。
今、時代にとって、すごく大事みたいですね、『背中を見せる』。
『日本に生まれてのほほんと生きてきて、これからもテケトーに生きててもけっこう平気に生きてける時代』はそろそろ終わるだろうから、行動できない人にとっては、これからがキツくなると思うのです。
自分が行動できないと感じている人は、小さいことから始めてみましょう。
そして、小さな子供のいる人は、子供に躾けたいことは自ら実践して、その姿を子供に見せるように心がけると、ストライキを起こさず伝わるのだと思います。