無意識に人を癒す女の子

十数年前のことです。
犬の散歩でよく通っていたルートに、障害者たちが集まって一人暮らしをしているアパートがありました。

ある日、そのアパートの横を通りかかった時、そこの住人の女性が声をかけてきました。

彼女「その犬、かわいいね!」

私 「ありがとう。いい天気だね」

そんなふうに会話を始めました。

そらまめ

会話は少々ちぐはぐ。
「その犬いくら?」なんて、普通の人は聞かないようなことを、あっけらかんと聞いてきます。

それは、彼女が世間一般の価値観を持っていないから。
こんなことを言ってはいけないのではないか、ヘンに思われるのではないか、という自分自身への縛りがないのです。

この人は一緒にいてとっても気持ち良いなって思いながら数分話して、「じゃあね」と別れました。

その人と別れて数歩歩いた時、背中が感動したときのようにジ~ンとなり、頭のてっぺんからスゴい勢いで何かがゴーッと抜けて行きました。

 『あ、浄化された』

と思いました。
私の心の中の何か消化しきれていなかったものや、背負っていたいらないものが、抜けて行ったようです。

そらまめ

彼女本人は、自分にそんな力(癒しの力)があるなんて、多分気づいていないでしょう。そして、周りの人達も。

その能力を存分に引き出しているのは、おそらく、彼女の『何の価値観も持っていない』という状態。
 

自分では意識せずに、人からも理解されずに、それでもとっても人の役に立っている。
そんな役割の人も世の中にはいるのだなぁ・・・と知った出来事です。

※観念の掃除を、キッチリしようと思うきっかけになった出来事です。
 彼女は私にきっかけをくれるという役目も負っていたのだと思います。
 人は、知らず知らずに、影響を及ぼし合っている。