デザイナーの自己満足

私はもとデザイナーでしたが、そこから離れて以来、デザインの仕事にはほとんど携わっていませんでした。   

ところが去年あたりから、募集もしていない私に、なぜか次々とデザインの仕事が舞い込むようになってきました。
 

さる山さる子の印刷物やHPや店舗のデザイン一式はもちろん、他の会社のパンフレットやロゴマークやHPや名刺を作ったり・・・

それらを作りながら、以前やっていたときとは違う、2つのあることに気付きました。
 

以前と違うこと、ひとつめ

ひとつめは、なぜか『携わったこともない業界についての文章が書ける』です。

これは自分でも不思議でした。

全く関わったことがないのに、ちょっとインタビューしただけで、その分野でずっとやってきた人が違和感を覚えないような文章が書けてしまうのです。

これはまだそれほど場数を踏んでいないので、いつもそうなるのかどうかはわかりません。
 

以前と違うこと、ふたつめ

もうひとつの大きな違いは、自分を手放したからこそできる、『相手のことだけを考えられる』です。 

できていたかどうかは別として、以前はもっと、『いいデザインを作りたい』という気持ちが強かったと思います。

『自分が作る』という気持ちで作る時は、どうしても『作品』のようなものを作りたくなってしまいます。

お客様の意向で意に沿わないデザインをさせられたときは、自分が作ったと言いたくなかったりしたこともありました。

でも、お客さんが求めているのは、ただカッコ良かったりキレイだったりする『作品』ではありません。

 

それらは単なるデザイナーの自己満足です。
 

デザインの目的は何なのか

デザインされたものを作る時、その目的は商品を売ることであったり、集客であったり、イメージアップであったり、お店を知ってもらうことであったり、なにかの告知であったり、いろいろです。
  

そこで、自分の作品を作ろうという気持ちで制作してしまうと、デザインは素晴らしいけどお客様の目的に沿わない、デザイナーの『作品』になってしまいます。
 

お客様にお金を出してもらって自分の作品を作るなんて、考えてみればひどい話だと思うのですが、これは中途半端に実力のある人ほどそうなってしまいがちな罠のようです。
 

そらまめイラスト

仕事をするとき、私の役割は、クライアントに利益をもたらすことです。

自分のためにという気持ちが一切なくなると、そこで初めてお客様のニーズが見えて来ます。

何かをする時は目的があるはずです。

その目的をちゃんと理解できないと、不誠実なことになってしまいやすいのかなぁと思います。

 

2012年05月06日

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