さる山さる子の基本姿勢として、「お客様を助けよう・救おうとしない」というのがあります。
これはメンバー全員が、一番と言っていいくらいに、とても気をつけていることです。
こういう仕事をしていると、助けられたいお客様も来られることがあります。
でも、私たちはその方を「助けよう」とは思わないようにしています。
その気持ちがあろうがなかろうが、お客様に対してやることは同じです。
でも、「助けたい」という気持ちがあると、同時に「感謝されたい」という気持ちも持ってしまいます。
どうして助けようと思わないようにしているのか
人は感謝されると嬉しいものです。
そして、感謝には麻薬のようなところがあります。
自分の言ったことで目の前の人が涙を流した。
どんどん変わっていく。
その度に感謝される。
なんでも言うこと聞くようになった。
あぁ、気持ち良い。
そして、どんどんその快感を求めるようになり、最初は人を助けたいという小さな気持ちから発生したものが、だんだん支配できる人を求めるようになっていきます。
こういう仕事をしている私たちは、快感から道を踏み外すことのないよう、その芽が出てこないよう自分でも気をつけていなければいけませんし、そしてお互いにチェックするようにしています。
『人を助けたい』と思っていると・・・
さらに、「助けたい」という思いがあると、助けられたい人を探すようになります。
探すのですから、起きてない問題を問題にしてしまうのです。
同じ大変な境遇にあっても、Aさんはそれを不幸だと嘆いていて、Bさんはそれを受け入れて生活しているとします。
Bさんにはなんの問題もありません。
そこでBさんに向かって、「あなた不幸ねぇ。かわいそうね。」と言えば、Bさんは「あ、私って不幸なんだ!かわいそうな人なんだ!」と認識するようになり、そこからBさんには問題が発生してしまいます。
できることは同じでも、「助けたい」という思いを持っているかどうかだけで、結果が大きく変わっていくのです。
「助けたい」という思いが湧くのは、自分が助けられたいからです。
自助努力は私たちにとって、とても大切だと思っています。
2013年12月17日