受け取る準備が整ってから伝える
自分のことはなかなか分からないけど、人のことはよく分かります。
人のことに気がついてしまう人は、効果的な伝え方を学んでおくといいと思います。
それができないと、せっかく知る事が出来たり、分かったりしても、それをうまく活かす事ができないからです。
さて、問題です。
人のことで、「こうすればいい」ということに気付いたとします。
それが相手にとって必要なことだと分かっている。
これを知れば、相手の人生は好転します。
さて、それを相手に伝えますか？
これが正解という答えはないと思いますが、私はこういう場合、基本的に、相手には伝えません。
何故かというと、
伝えたところで相手には響かないからです。
人は聞きたいことしか耳に入れないからです。
聞きたくないことを聞かされようとすると、拒否反応を起こすからです。
聞きたいことであれば耳に入るのですから、聞いて来た時や、聞きたそうな時には伝えます。
なので、情報が欲しい人がいたら、聞きたいと言える環境を作っています。
また、こういった記事のように、みんなに公開しておけば、必要な人は勝手にそれを受け取っていきます。
でも、個人的には伝えません。
自分のために伝える
しかしながら、相手が聞きたくないと分かっていても、伝える場合があります。
相手に特別な愛情がある場合です。
聞きたくないことを伝えると、拒否反応から嫌われることがあります。
悪くすると、恨まれます。
嫌われて、もし相手との関係が途切れたとしても、私が相手の好転を望む場合は、自分の為に（相手の為ではなく）伝えます。
また、知ったその時には伝えませんが、後になって相手が聞いて来たら、その時は伝えます。
伝える機会は、そのうちやって来る場合が多いです。
なぜなら、人は困った時にようやく、それをなんとかしようと思うからです。
人は、変化には抵抗を感じますので、困らなければ、現状のままでいたいのです。
でも、困ってくると、その時はなんとかしようとし始めます。
前もって伝えておく
さて、例えば友人から、「夫からのDVにあっている」という話を聞いたとします。
それ（DV)を大問題とみなして何とかしなきゃと思う人もいれば、そんなのよくあることと思う人もいます。
前者が友人から「夫からのDVにあっている」と聞けば、すぐにでも手を打たないとと焦りますが、
後者であれば、「あら、大変ねぇ」と思うだけかも知れません。
人の感じ方は違うのです。
そして、困っていない間は、そこにいたいと思うものなのです。
例えDVにあっていたとしても、耐えられるくらいであれば、変化を望まないものです。
そこで、「それじゃダメ！ 行動しないとダメ！」と押しつけられると、それを負担に感じ始めます。
「夫からのDVにあっている」上に、そう言ってくる相手にも気を使わねばならなくなるからです。
「夫からのDVにあっている」人は、今は我慢できても、それを放置しているうちに、次第にエスカレートしたり、自分の中にも黒いどろどろしたものが溜まってきたりして、いずれ我慢できなくなってくる場合があります。
そのとき、聞きに来れば、逃げ方をアドバイスできるよと、前もって伝えておくことはできると思います。
また、物事は悪化する前だったら、色々な手の打ち方を考えられることを知らせておくのも良いと思います。
悪化してからでは、何も出来なくなる可能性があるから、早めに手を打っておいた方がいいという事も、伝えておくと良いかと思います。
本質にしゃべらせて伝える
上記の内容は、前もって知った時のやり方ですが、その他に、相手の前で相手に必要な言葉が勝手に出てくるということがあります。
これは特別な事でも何でもなく、実は人はそんな風にお互いの体を使い合っています。
使い合っているわけですから、相手にとって必要な言葉を、相手の本質にしゃべらされるわけです。
（相手は無意識で、そんなことをしているつもりはありません）
自分では考えていない様な言葉が口をついて出てくるといった時は、それは相手にとって必要な言葉である可能性があります。
相手がまだ受け取りたくないと思っていたとしても、今、聞く必要があるので、目の前の人にしゃべらせるのです。
言われた人は、聞く準備ができていないので、その時は不快に思いますが、時間が経つうちにだんだんその言葉がその人の中で消化されていきます。
これは、相手の本質がやっていることなので、タイミングを逃しません。
また、それを聞かせた後、相手の本質は、本人がそれを理解できるようなヒントを他にも配し、なんとか理解させようと、がんばります。
なので、思わず言葉が出てきてしまったときは、相手がその場では不機嫌になったとしても、『相手には、これが今、必要なんだな』と思って、なりゆきを観察してみて下さい。
そのうち、時間が経つうち相手が変化し、その言葉が相手にとって必要だったことが分かったときには、相手の本質にしゃべらされたんだな、相手の本質と共同作業をしたのだな、と思ってください。
特別なことではありません。
みんな、普通に無意識でやりあっていることです。
『 ただ見るカウンセリング 』では、こういったことを必要なタイミングでお伝えしています。
こんな風に、相手の本質と私とで、連携作業をしていくわけです。
2015年11月10日
