「しない」理由
例えば、この人はこうすれば良くなると分かっていて、相手に聞く耳もあって、それを伝えたのに、実行しないということが、よくあります。
実行されなければ、伝えたところで意味がありません。
なので、実行されるように伝える必要があります。
どうして現状を何とかしたいと思っていて、聞く耳もあるのに、実行しない(できない)のでしょうか。
それは、やりたくないことだからです。
そもそも、やりたいことであれば、やっています。
人からアドバイスされる改善点というのは、やりたくないから今までやって来なかったために、問題となって現実に現れているということがほとんどなのです。
それをやっていれば、今の困った状況にはなっていないわけです。

例えば、見栄っ張りゆえに浪費を重ねてしまい、借金で首が回らなくなってしまったという人がいたとします。
その人に、「お金を使いすぎなので、節約した方が良いよ。」と伝えたところで、意味がないと思いませんか?
本人だって、このままじゃ生活が成り立たなくなると分かっているのに、できないのです。
それは、人からお金を持っていないと思われることが、生活が立ちゆかなくなることより恥ずかしいからです。
感情に向き合う
人の行動は、理屈ではなく感情に支配されています。
物事は物理法則の通りに流れていくので、理屈通りに行動できれば、そうそう困ったことにはならないわけですが、感情で動くがために変なことになっていきます。
なので、感情面の解消が必要となります。
別に貧乏が人に知れたところで大したことになりはしないし、そんなことで離れて行く人と付き合っていてもしんどいばかりなので、最初から離れておけばいいのだということを腑に落とすことが必要になっていきます。
そして、そこを知っても解消されないようなら、どうして貧乏だと思われるのがそんなに怖いのか、自分の心や過去に向き合う必要もあります。
人が変わるには時間がかかる
人を変化させるようなことを伝えたいのであれば、そこまでのフォローをする覚悟を持って、取り組んでください。
そして、日頃から、そのための技術を磨き上げてください。
できないことを、指摘だけされるのは、しんどいものです。
自信を失い、逆効果にもなりかねません。
人が変わっていくには、みっちり取り組んでも数か月、長ければ数年かかります。
相手に対する愛情がなければ、できません。
それだけの覚悟と愛情が持てないようであれば、むしろ何もしない方がいいのです。
すぐに解決できるのは、テレビや映画の中だけです。
ヒーローのように、すぐに解決させようとすると、必ず歪みが起き、反動が現れます。
2015年11月23日