言葉で説明せずに、機嫌の悪い態度を使って、人に分からせようとする人が、たまにいる。
「私が機嫌を悪くしているのだから、私はあなたに気に入らないことがあるの。なので、それを推察して、行動や考え方を改めなさい。」
という無言のメッセージを、周囲に対して発するわけだ。
しかし、その人があることを気に入らないという現象は、その人が持っている観念によるものでしかない。

なので、同じ観念を持っているごく一部の人には、この態度は有効に働くこともあるのかも知れないが、そうでない人は全くそれが悪いことだと思っていなかったりする。
そうなると、何故その人が機嫌が悪くなったのか、ちんぷんかんぷんであり、嫌な態度を取る事で相手を変えさせようとする戦略は、全く意味を成さない。
すると、その人は思うのだ。
「この人、鈍すぎ。変なんじゃないの?」
いや、変なことをしているのは、自分を守るために言葉にする事を避けて、態度のみで相手を変えようとする、あなたの方だから。
くせになっているから、自分では全く気付いていないかも知れないけど、それって、ものすごく不自然な行動だから。
親子関係に及ぼす影響
知り合いにも、何人かこういう人がいるが、比較的女性に多い。
そして、もれなく子供が不安定である。
大人であれば、相手が突然機嫌が悪くなった時に、適当に距離を取って自衛することも出来る。
しかし、小さな子供にとっては、家族は世界の全てであり、特に大好きなお母さんの幸せを望み、お母さんにはいつも笑顔でいて欲しいと思っている。
なので、お母さんの顔色には、非常に敏感なのだ。
世界の狭い子供は、何でも自分のせいだと思う傾向があるそうだが、お母さんが不機嫌になった時も、やっぱり自分のせいではないかと受け取る。
母親の機嫌が突然悪くなった時の子供は、母親に笑顔でいて欲しいので、今の状況を変えなければと思う。
同時に、自分のせいなので、自分が変わらなければと思う。
しかし、観念のない子供には、お母さんがどうして機嫌が悪いのか、理解することはできない。
分からないけど、とにかく自分が悪いんだと思う。
そして、母親の顔色にビクビクと気を使い、闇雲に自分の考え方や行動を否定することになる。
そうしていずれ、自分を見失ってしまうのである。
・・・うぅ、想像するだけで、心が痛い。
観念のチェックをして 言葉で伝えよう
これを読んでいる方は、ぜひ、自分が言葉にせずに態度のみで人を変えさせようとしていないか、チェックをして欲しい。
もしそうなら、気に入らないことがあった時は、ちゃんと言葉にするよう、お願いしたい。
それと同時に、人を責める気持ちが起きた時は、その観念を消す努力をして欲しい。
2016年05月21日