隊長、あきらめる
隊長は4年くらい前から、ほぼ毎日、コツコツと講義原稿を書いている。
相当疲れるようで、サプリや健康食品にお世話になりつつ、なんとか続けている。
身体はかなりキツそうだが、コツコツ続けることはすごいもので、振り返るといつの間にか百数十コマもの原稿が積み上がっている。
その事実が、隊長の励みにもなっているようだ。
以前の隊長は、コツコツ継続なんて、できなかった。
3か月くらいしか、集中力がもたなかったのだ。
試験勉強なども、3か月しかもたないことを知っているので、司法試験などの長ーくがんばらなければならないものは、無理だったという。
原稿を書き始めて3年くらい経ったとき、こう言った。
隊長 「オレが3年もコツコツ同じ事を続けているなんて。以前は3か月しかもたなかったのに。」
そら 「何が変わった?」
隊長 「うーん・・・ あきらめた。そう、あきらめたんだよ。」
そら 「何をあきらめた?」
隊長 「以前は、なんとか原稿をりえちん(さとう)に書いてもらえないかと思っていた。でも、どうも無理そうだと思って、オレがやるしかないのかって、あきらめたんだよ。」
そら 「そっか、あきらめるって、すごいね。」(←さとうにやらせようと思っていたことにも驚いた)
さとう、あきらめる
こっちはさとうの話。
戌亥天冲殺を持つ佐藤は、とにかく逃げたがる。
何でもかんでも『イヤイヤ』なのだ。反抗期の2歳児のような、『イヤイヤ』っぷりである。(そう思えば可愛い)
作業も『イヤイヤ』、会議も『イヤイヤ』、さとうにとってお得な提案でも『イヤイヤ』、なにがそんなに嫌なのか、わけが分からない。
そんな調子だから、私は何かを進めようとする度に、さとうのイヤイヤを説得するという余計な仕事をいちいちせねばならず、それがかなりのストレスだった。
去年の年末、『あ、上昇気流に乗った』と感じた。
それで、隊長とさとうに、
「さる山はこれから徐々に昇っていくので、ストップをかけないように。」
と、メールを送った。
その後である。さとうの『イヤイヤ』がなくなったのは。
言ったことをすんなりやってくれるようになったので、私はとても楽になった。
さとう本人も変わってきた。
だんだん話が通じるようになって、書く文章もしっかりしてきた。
そら 「文章がよくなってきたね。」
さとう 「なんか、自分の頭で考えられるようになった。今までと頭の使い方が全然違う。」
そら 「何が変わった?」
さとう 「あきらめたの。それまでは、逃げたい逃げたいって思っていたけど、そらちゃんにストップをかけるなって言われて、逃げるのをあきらめた。」
そら 「そっかー。あきらめるって、すごいね。」
というわけで、ここのところ私は『あきらめる』ことのすごさを実感している。
避けるのをあきらめる
やりたくないことをやらなきゃならないとき、人はそれをなんとか避けようとする。
勉強だったり、仕事だったり、苦手な人だったり。
でも、やらなきゃならないことだったら、『どうにかしてそれを避けよう』という気持ちを、あきらめてしまえば良いのだ。
抵抗をあきらめると、閉じていた門が開いたかのように必要なものがするする入って来るようになるので、その後大きく成長する。
『抵抗をあきらめる』は、『受け入れる』と同じことだが、人に『受け入れれば良いんだよ』と言ったところで、どうすればいいんだか、ほとんど分かってもらえない。
同じことなら、『避けるのをあきらめる』という方向で話せば、もっと分かりやすいのかも知れないなぁ。
2019年04月25日