人は簡単に木に登りがち
誰かのマネをしたり、教えてもらった通りにして、何事かがうまくいくということはある。
また、時代の力を借りて(タイミングが合って)、うまく運ぶこともある。
いずれも、本当の実力ではないが、人には何かがうまくいくと、実力だと勘違いしてしまうようなところがある。
そう、人は、簡単に木に登るのだ。
木に登っている時、自分ではなかなか気づけない。
きっと、気持ちがいいのではないかなと思う。
物事は上手く運んでいる気がするし、人より一段上にいるような気がする。
なので、自分では向上しているように感じるのではないかと思うが、実は全く昇っておらず、むしろ破滅の入り口にいたりする。
自分が上にいると思うので、周りの人を軽く見て(見下し)、上に見られたいと望む。
傲慢な態度を取るようになり、発言が変わり(口答えしたり)、努力を怠るようになる。
周りには却って、人格が低下したように見えているだろう。
しかし、実力以上の成果を上げた場合、いずれ魔法が切れる時がくる。
ネタ元がいなくなればアレンジできないし、師がいる間だけしか教われないし、時代は移り変わる。
何かに依存している限り、いずれは終わる時が来るのだが、その時、反動で落ちる事になる。
それまで周りを下に見るような態度を取っていれば、落ちた時に誰も助けてくれない。
昔の歌に、『三歩進んで二歩下がる』という有名なフレーズがある。
一気に三歩も進めば、人は普通、慢心するのだ。
そして、周りの応援を得られなくなり、二歩下がる事になる。
ここで、慢心を抑えることができれば、二歩下がらずにすむので、謙虚でいるコツを掴めた人は、歩みが早いということになる。
なので、謙虚でいるためのヒントをお話ししておこう。
簡単ではないと思うが、ヒントにはなると思う。
謙虚のヒント 5か条
①自分に矢印が向いていると、人に相対した時に、自分のアピールをしようとしたり、卑屈になったりして、人のありのままを受け取れなくなるので、自分に矢印が向かないように気をつける。(劣等感を解消することで、自分に矢印が向かなくなる)
②普通に見える人にも、何かしらの凄い部分があるので、相手の素晴らしい部分を見付けてみようとアンテナを立てる。
それにより、普通に見えていた人のスゴさまでも分かって来る。
③アンテナを立てて、たくさんの人に会う程に、上には上がいることがだんだん分かって来る。
木に登ることができるのは、世界が狭いからだ。
④今まで自分が自慢に思っていたようなことは、ただの井の中の蛙にしか過ぎなかったことに気付く。
そうして、自分が今のように生きていられるのは、周りの人や出会った事の無い人、もうすでに亡くなってしまった、時代や文明を作ってくれた人のおかげだったことに気づけるようになる。
⑤そこまで見えるようになると、もう、何か大きな事を成し遂げたところで、慢心はできなくなる。
いっぱしの人物は、これを会得して、二歩下がる事なく進んでいると、私は思う。
会得できれば、後々楽になるので、ぜひ、皆さんにもトライしていただきたい。
2017年04月19日